アナログ読書のすすめ

暮らしの教会手帖 F.Vianne

近頃の私の楽しみは、読書。紙をめくって活字を読む読書を、私は密かにアナログ読書と読んでいる。電車の中でスマホの画面を見ながらデジタル読書をしている人たちの隣でも専らパージをめくりめくり活字を読んでいる。指をなめてページを繰る事だけはすまいと心がけているが…笑。今では電車の7人がけシートなら6対1か5対2程がデジタル派とアナログ派の割合かな?

前置きが長くなったが、本といっても、教養書や話題の本等は私の読書希望枠にはなくて、専ら小学校高学年向けの児童書か時代小説を読んでいる。

拘りなく素直に理解できるから。

ジャンルは、児童書なら今風ファンタジー、伝記物以外何でも。時代小説なら、江戸時代の庶民を描いた短編の人情ものを好んでいる。

たかが児童書というなかれ、古事記等の古典でも、きちんと子どもに理解出来る言葉で楽しい読み物として次々出版されている?いた? 編著者は芥川龍之介や森鴎外、野上弥生子等など往時の著名な作家の外にも瀬戸内寂聴ほか現代も活躍している作家も多く、漫画家の池田理代子さんが万葉集を手掛けていたりもする。海外物の翻訳本もとても多い。ネズミの世界を描いた永遠のベストセラー「冒険者達」北欧の「ムーミン」…そんな作家達が創り出した子どもの本を大人の私が図書館の棚であれこれ物色するのも楽しい。読み出したら、速く読み終えられるのも、達成感をくすぐられよりハッピーになれるのだ。

液晶画面を追いながら速読する能力はもちろん持ち合わせていないので、その良さと比較する事はとてもできないが、時には装画や挿絵を楽しみながら、紙を一枚ずつめくってのアナログ読書はとても楽しい。特にハードカバーは持ち歩きにも、ベッドでの読書にも苦労するのだが、それでもたまらない。通り過ぎるのではなく、活字ごと心に沈んで行く感じがする。

さてもう一つ、時代小説江戸人情ものといえば、格調高い山本周五郎の作品もかつて相当読んだ。今は女性作家もかなり多い。私の贔屓は今、宇江佐真理(うえざ・まり)さんという作家だ。60代半ばで2016年になくなってしまい、作品もそれ程多くはないのが残念だが。江戸幕府奉行所の同心という下っ端役人やそのまた下の岡っ引きの仕事を通して語られる江戸庶民の生活や社会の掟、武士社会と町民社会の矛盾や不条理。そこには人の世の深い哀しみを、僅かな喜びを掬いとって包みこらえて、日々を暮らして行く人々が描かれている。

水辺を照らす残照の向こうにうずくまる黒い大地、そして明日にはまた強く輝く陽が昇って来る予感。読み終えた後の私の心象風景である。

そして、いつもこの言葉が心を過る。

「神様は何もしないでただ見ておられるのではありません。人間とともに苦しんでおられるのです。」  マザーテレサ

今日もわくわく、胸キュンをアナログ読書から貰っている。